2010年12月30日

シントウ『イチからゼロ』

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 以前こちらでご紹介した、ドイツ人が辛辣な日本語で謳い上げるユニット、シントウが4年半ぶりに新作『イチからゼロ』をリリースした。

 この4年半日本では意識的にも、政治にも様々なところで地殻変動が起こり、しかしそれは必ずしも良い方向に向いていないというのは恐らく誰しも周知の事実だろう。そのようななか、ドイツでは日本の空気をどう感じていたのか、シントウの新作には強い興味があった。

 やはりというかこれまでもそうではあったが、1枚通してネガティヴな言葉のオンパレード。「わななき」とか、「首にかかる縄」、「だらだらだらだら、と死んでいきます」と1枚聞くまで何回死ねばいいんだと思うほどだが、まさに今の日本がこういった瀕死の状態だということなのだろう。

 音はエレクトロニカに生音が入ったダンサブルなもので相変わらずかっこ良い。このある意味アンバランスなところが、この音楽を楽しめる大きな要因となっている。

 このアルバムでは、「死」というものをデジタル信号としての「1⇒(から)0」というものに置き換えることにより、「死」というものをドライに捉えているように感じるし、ドライになってしまっている現状を憂いているようにも感じる。「死」を描くことにより「生」をあぶりだしているようにも感じる。

 毎年3万人もの自殺者が生まれているこの日本で、「生きることとは何か?」、「生きることの意味は何か?」を問われている私たち、生きているほうの日本人。

「さて、明日からどう生きていこうか?」

 シントウを聴いているとそんな禅問答が永遠に繰り返される。そんなふうにして生きていく、今日、今日、そして今日。


posted by 植木孝之 at 14:52| Comment(7) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月27日

【雑感】M-1グランプリ2010 一夜経って

Mー1一夜経ってみるとやっぱり笑い飯優勝でよかったと思う。吉本同士の関係とか9年連続とかあるのかもしれないけど、今日の「笑っていいとも!」に笑い飯出てるの見たら優勝してよかったなと思った。笑い飯にはずいぶん笑わせてもらったし初めて見たときの衝撃は凄かったし。笑い飯優勝おめでとう!

posted by 植木孝之 at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | TV・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月29日

【鑑賞記(時系列)】キングオブコント2010

まずは東京03の紳助恫喝事件をネタにできるのは松本人志(と明石家さんま)くらいなのかなと思った。


□ネタ1回目

■TKO
葬式ネタ。木下がもっと現実離れのネタをやってくれればな、と。「あるある(ありそう)ネタ」にしないと一般的にはウケないのかなあ。

■ロッチ
催眠術ネタ。コントかなあ?指鳴らすからもっと面白いアクションに発展していければ面白かったかも。


83幕府いじり面白いな。浜ちゃんのセンス素晴らしい。これからいじり倒すだろうな。


■ピース
山姥ネタ。山姥が普通の人間になりたいが習性が邪魔してる葛藤的な要素から発展していく展開が面白い。最後ちょっといい話になるのもいい。綾部の顔色がおかしい。緊張かメイクか。


83幕府いじり。


■キングオブコメディ
名前が邪魔してる。ま、敢えてだろうけど。
誘拐ネタ。今野腹立つが面白い。いいとこ突いてるな。
ピースとちょっと点差開きすぎたかな。

■ジャルジャル
居酒屋ネタ。アホだなあ。好きだけど。音楽的だし。ま、一般的ではないんだろうな。

■エレキコミック
お年玉ネタ。やついちろうの顔が苦手だ。子供が生意気なこと言ってて腹立ち面白い感じのネタで、たぶんキングオブコメディと同じ種類に入るネタなんだろうけど、今野とやついちろうの差が出てるんだろう。

■ラバーガール
ネコカフェシュールネタ。アイデアには可能性を感じるが、この手のネタで4分はキツいな。長い時間かけてじっくり世界感に引き込むコントが強いのだろう。

■しずる
泥棒仲間割れネタ。面白いな。演技、構成点が高いので、キャラが強くなくても面白い。


エレキコミックをしっかりいじる松本人志のやさしさを感じる。


□ネタ2回目

■エレキコミック
1回目と以下同文。

■TKO
木下キャラ押しネタ。ま、1回目も木下キャラ押しネタだったけど。つーか、全部木下キャラ押しネタだけど。ベタだけど面白かった。

■ロッチ
いいともレギュラーだってね。コカドがしゃべれるから大丈夫だろう。
コンビニ万引きネタ。まさかのコカド押しネタ。オチに一捻り欲しかったかな。

木下いい顔するなあ。

■ピース
1回目5位か。俺の中では2位だけどな。化け物が日本に観光ネタ。好きだなあ。俺の中では1位だな。不条理な世界と現代のギャップの狭間で遊ぶ世界感が。

■ジャルジャル
いちびり不良ネタ。ラップだな。最後おばはん言っても良かったかな。

■ラバーガール
遊園地ネタ。ボケの人、稲中に出てそうだな。やっぱり途中感が否めないな。オチの爽快感が大きく点数に反映されてる気がする。

■しずる
パンティ押しネタ。言葉として弱いから入口から厳しい。言葉がもっと強ければな。1回目のシナリオは良かったけど。

■キングオブコメディ
今野のキャラ作り意外に細かいな。まばたきの多さとか。情報量多いな。コントとしてレベルが高いな。発想としてはピースのほうが面白いけど。総合力としてはキングオブコメディかな。

リアルタイムで見てなくて、結果は知ってたけど改めて見たら納得の結果でした。やはり現場の芸人の採点ていうのは正確だな。

最高点はピースが取ってても2回の平均でキングオブコメディが取ってるっていうのも納得。
posted by 植木孝之 at 09:23| Comment(12) | TrackBack(0) | TV・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月05日

ケミカルブラザーズ

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6月5日に千葉県の幕張海浜公園で開催された「BIG BEACH FESTIVAL'10」に行ってきた。

本来は海なんてプライベートではまず行かないし、暑いのあんまり好きではないのだけど、ケミカルが久々に日本やってきて、かつ新譜も約3年ぶりにリリースするということで、今ケミカルがどういった状態なのか。2010年という時代、ヨーロッパのかつてない不況のなか、どのようなモードなのか。確かめたかった。

結果、素晴らしかった。完璧。まさにエンターテインメントDJ。新作の音源を交えつつ(新譜に関しては改めて別の記事にて述べたいと思う)「star guitar」、「hey boy hey girl」で締める潔さというかベタはベタだけどそれも含めて客のニーズを引き受けてる懐の深さは凄い。

基本的に「Electronic Battle Weapon」の流れを組んでいるが、欲しいときに欲しい音が来る音の卸問屋とも言える流れだった。

客はもっとケミカルの曲を普通にやって欲しそうな感じだったけどだったらライヴ行けと言いたい。ケミカルのもうひとつの大きな魅力は物凄いネタのストックから部品を取り出しそれらを再構築する編集能力なのだ。

といいつつライヴも見たい。新作を引っ提げたライヴを。
posted by 植木孝之 at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月13日

約3年振り

約3年振りにちゃんと文章を書こうと思います。

誰も見てないだろうけど書きたいので書きます。

最近文章が書きたくなってきた。音楽と掛け離れた業界の仕事に就いて約3年半、そろそろ行き詰まってきたというかキツくなってきた。辞めるつもりはないんだけど。というか辞められないんだけど(クビにはなるかも)。

元々一つのことにしか集中出来ない僕は、仕事しながら文章を書くことなんてとてもじゃないができなかった。正直甘かった。

しかし僕が音楽から遠くなった間に数々の音楽雑誌やカルチャー雑誌がなくなって、音楽もつまらなくなって、刺激的なものもなくなっていった。

僕にとっては風俗が一番刺激的なものになってしまった。

昨日聴いた(見た)damunne on dommuneでのTKDさんのDJが僕を音楽や文章に揺れ戻してくれた。この前のextreme nightでご一緒したがちゃんと話をしたのはこの時だった。僕が開演前のDJをやっているときに来て、会うなり「ろくでなし君だよね!」と握手も求めて来てくれた。CDJの説明をし、軽く話をして、いっしーさんのバンドが終わった後に彼のDJが始まった。dommune on damunne用のターンリストはニューウエイヴからUKへと流れていくもので熱いながらもクールな印象を持った。

そして昨日だ。UK縛りド直球なターンウエイヴ。プライマル、ストーンローゼズ、マイブラ、ケミカル・・・。

僕が大学のときに通っていたクラブスヌーザー、BUZZNIGHTを思い出した。あの時の高揚感が戻ってきた。
まだあったんだ。思い出させてくれたんだ。

仕事も辞められない。お金も貯金もない。家庭もある。住宅ローンもこれから35年返していかなくてはいけないだろう。そんなことできるのだろうか。

挙げ句の果てに明日にでも渋谷のホームレスになっているかもしれないが、とりあえず僕は観て聴いて書いていこう。感動して泣いて遊んで笑っていこう。

少しづつでも書いていきます。

少しづつでも僕は変わっていこうと思う。
posted by 植木孝之 at 21:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月04日

【告知】EXTREME NIGHT Vol.8

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EXTREME NIGHT Vol.8
@渋谷青い部屋(http://www.aoiheya.com: 03-3407-3564)

2008年5月10日(土) 
18:00 OPEN 18:30 START
【予約】2500円 【当日】3000円


出演 (敬称略)
・EBBY+高岡大祐+平井直樹
・イーヨ+清水一登+津上研太+山本達久
・村上巨樹+原田仁+DeAthAnovA
・Filth


http://mixi.jp/view_event.pl?id=30406326&comm_id=313540

ということで皆様よろしくお願いします。
posted by 植木孝之 at 11:25| Comment(24) | TrackBack(2) | ロクナイ(他イベント) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月05日

【告知】EXTREME NIGHT Vol.7

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例のごとくBGM係で参加しますが、その日は会社の新年会のため何時頃に行けるかわかりません、、、

ま、何とか途中で抜け出して、またスーツでDJしようと思います(笑)。

今回もかなり個性的な出演者で、それぞれの組み合わせもまた、独創的というか、他のイベントではまずありえないので、見て損はありません。

是非、お越しを!

EXTREME NIGHT Vol.7
@渋谷青い部屋(http://www.aoiheya.com: 03-3407-3564)

2008年1月12日(土) 
18:00 OPEN 18:30 START
【予約】2500円 【当日】3000円

出演
・清水一登+早川岳晴+湊雅史
・かわいしのぶ+吉村由加+yukarie+GAKU
・Gallhammer
・Filth
posted by 植木孝之 at 06:52| Comment(0) | TrackBack(1) | ロクナイ(他イベント) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月22日

大日本人とヱヴァ

エヴァ

 映画「大日本人」が11月にDVD化されるそうだ。

 映画「大日本人」とは言わずと知れたダウンタウン松本人志第1回監督作品だが、ある情報によると興行成績が約12億円、入場者数が約80万人だったという。あの映画を見た人ならわかると思うが、いくら松本人志が今回万人受けするように作ったと(言っていると)はいえ、どうしても松本独特のシュール・レアリスム感や哀愁が臭う作りがめちゃめちゃ万人受けするとは思えず、結果賛否両論だったと思う。
 そんななかでも(いや、そういう作品だったからこそ)これだけの多くの人間がこの映画を見ることにより、これだけのお金を弾き出したことは(この映画の損益分岐点がいくらだったという話はとりあえず置いといて)、とても脅威なことだと思っている。

 松本人志の笑いは、単に「面白い(笑える)、面白くない(笑えない)」の他に、もう一つ別の言葉に出来ない感情(や人間に及ぼす作用)があるという気がしてならないのだ。

 それは、僕が先日劇場で見た「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を見た時にも何となく思ったことだ(「ヱヴァ」の場合は「笑える、笑えない」という計りではないが)。掟シンジの「逃げちゃだめだ!」という台詞を聞いた時に、思春期のドロッとした黒い記憶が僕の脳裏に蘇ってきてしまい、震えてしまった。

 最近の映画や音楽には、そういった「言葉に出来ない感情」を感じさせる作品が少ないなあ、と感じます。だから僕は今、映画や音楽を「言葉」に出来ないんだと思う。

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posted by 植木孝之 at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

【告知】EXTREME NIGHT Vol.6【当日】

8月の現状報告等はまた後日。

というわけで、本日です!

EXTREME NIGHT Vol.6

EXTREME NIGHT Vol.6

9月8日(土) 18:00 OPEN 18:30 START
@渋谷青い部屋
(http://www.aoiheya.com: 03-3407-3564)

【予約】3000円 【当日】3500円

出演(五十音順)
板倉文/エミ・エレオノーラ/久保田安紀
/小森慶子/田畑満/ナスノミツル/HIKO(from GAUZE)
/福岡ユタカ/ホッピー神山
+アウラノイザズ with 村上巨樹(g),大久保亨(dr,perc),いっしー(b)

私は開演前と終了後のBGMを担当します。
今回のテーマは「勝新」です(笑)。また、Tabataさんに歌ってもらおうかな(爆)。ま、いつも通り気持ちの悪い音楽をかけまくりますよ!

皆様の御来場をお待ちしています。
よろしくお願いします。
posted by 植木孝之 at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ロクナイ(他イベント) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月14日

7月の現状。

 なんか月一の現状報告のようなブログになってきてしまいましたが、細々と続けていきますよ。

 先月はZAZENBOYS@日比谷野音に行った。新ベース、吉田一郎を加え、ZAZENBOYS新体制での初ライヴだったが、チョッパーを多用する個人的には好きな音のベースだったので、ライヴ中ほくそ笑みながら酒飲みタバコ吸いながら見ていた(タバコは係員に注意されたが)。
 ZAZENBOYSはもともとの楽曲構築度の高さ故、これまでのZAZEN楽曲をひととおりマスターするだけでも大変であろうにも関わらず、その上に新たに吉田らしさというのを提示していかなくてはならないというのが大変なところだ。
 ドラマーがアヒトイナザワから松下敦に変更したときもそうだった。しかし、松下敦の場合は圧倒的な手数の多い繊細なドラミングに加え、柔道二段としてのパワードラムな側面がZAZENの方向性にガッチリハマった好人事だった。吉田一郎に関しては、まだまだ未知数なところがあるにはあるが、僕は期待したいと思う。

 ちなみに、この日にライヴで披露された新曲を聴くに、次作のテーマは「愛」だと思う。向井がスライのリマスター盤を聴き直した影響が新曲に出ているのではないか。ただ、今度プリンスの新譜が出るので、今後どうなるかはわからないが、、、
posted by 植木孝之 at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする