昨日、吉野家の豚丼に先駆けて、前々から気になっていた「東京ラーメン」と名乗るラーメン屋に行ってきた。場所は千葉県沼南町。因みに「湘南」ではない。沼南町で東京ラーメン。このアンビバレンツなミスマッチに行く前から心が躍る。畑と一軒家と道路しかない秘境地帯にそのラーメン屋はあった。詳しく言うとラーメン屋だけではなく、その親戚がやっているであろう、鉄材屋もあった。「なんだ。親戚のお遊びでやってるのか。ここは」と半ば挑発的視線を効かせて店内に入る。プレハブを豪華にしたような邪険な作り、店内に流れるのは、トランス、ジャズ、ポップス、トランス、トランスという「マネーの虎」もおののく選曲に頭がクラクラし始める。とんこつラーメンにしようと思ったが、土日限定の為(何故、土日限定なのか?豚の需要が高まった為か?)、中華そば玉子インをオーダーする。
約5分後、連れの頼んだチャーシューメンに、頼んでない玉子がのっていて、俺の頼んだ中華そばに頼んだはずの玉子がのっていないという軽いアメリカン・ジョークをかまされながらもラーメンを喰す。
まず俺の嗅覚に飛び込んで来たのが、魚の匂い。しかもこれは江戸川上流の魚致死率が高い場所の匂いだ。スープを呑んでみる。それはもう魚臭の強い醤油味。しかもかなり油率が高い。麺は固ちぢれでまずまず。玉子が何故か香味がする。チャーシューは油分ゼロのヘルシーというよりはカサカサおばあちゃんの味。なんだ?この全てが全て噛み合っていないようで、実は噛み合っている宇宙空間は。それはまるで皆が皆100%主張しているブスばかりの合コンのよう。俺が推測するに、店主は「東京ラーメン」の味自体でなく「東京」を対象化したいのではないか。つまり「東京」の無機質感、腐敗感、そして満員電車のオヤジのポマード感を。それは味わうことだけで「東京」を味あわせてくれる。それを敢えて東京から離れた場所でやる、というのは極めて正しいことのように思える。予想にない味だった。びっくりした。
2004年03月11日
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