
試合の消化状況と、僕の書くペースが乖離し始めてきていますが、ご了承あれ。
ブラジル対ギリシャ戦を見た。この試合は「2002年W杯王者とユーロ2004覇者の対戦」ということで注目度は高かった。だが、ふたを開けてみればブラジルの圧勝。次戦で対戦した日本にも負け、決勝点を挙げた日本代表の大黒は試合後に「今日のギリシャ代表はユーロ2004のギリシャ代表ではなかった」とコメントしているが、まさにそうだった。ユーロ2004でのギリシャ代表はこの日と比べ物にならないくらい早く鋭いまさに「ハチのように刺す」サッカーを展開していた。依然、堅実な守備は堅持しているが、カウンターの切れ味が散々だ。だから、空中戦も機能しない。挙げ句の果てには、パスも通じないでは、いくら守り通しても勝つことは出来ない。そして、この日の相手は王者ブラジル。ブラジル相手に守り通すことは、並大抵なことではない。
そのブラジルだが、もう攻撃力が凄まじいの何のである。ロナウジーニョ、カカ、ロビーニョ、アドリアーノの4人で充分の攻撃布陣。何だろう、2002年くらいのとても強かったころのレアル・マドリードみたいな。ロナウド、ラウール、フィーゴ、ジダン(とロベルト・カルロス)の感じに近いかもしれない。有機的、機能的な各選手の動き、イマジネーション、スキル、パワー、そしてjoy。全て揃っている。特に前半41分のアドリアーノのシュートはタマゲタ。ペナルティ・エリア右外からほぼ、ノー・助走での30メートル弾丸シュート。翼くんもビックリである。ゴールの網が破れるかと思ったよ。いや、マジで。キーパーにとっては、彼のノー・助走と弾丸シュートはイメージとして一致しなかったのだろう。「まさか」と思っただろう。あの距離から撃つシュートがあのスピードで、しかも、ノー・助走で来るはずがない。そういった、キーパーの固定観念化されたイメージが結果的に「フェイント」となって生まれたゴールだったと思う。ま、あんなシュート誰でも来ないと思うよ。そういった固定観念が崩れさって新たな価値観がひょっこり生まれるからサッカーは楽しいんだけどね。僕はセリエAを見ていないが、アドリアーノはあのくらいのシュートはバンバン決めているらしい。恐ろしいヤツだ。
敢えて挙げるなら守備の不安だ。しかし、ブラジルの守備の不安なんていっつも言われてるし、そりゃあの攻撃陣に比べれば見劣りするのは当然だし、そんなこと言われてても結局本番になりゃ勝つし、コンフェデ杯にはロベルト・カルロスもカフーも来てないから、そんなに不安視する必要はないだろう。
そんなことより、今のブラジルの攻撃は見といた方がいいと思うよ。ぶっ飛ぶから。
(追記:
メキシコ対ブラジルの試合を見た。なんか、変な試合だったな。ブラジルの動きは全体的に重かったし(日本戦より重かった)、あのPKのやり直しの顛末は何故か笑えた。だって1回目のPKの時に(キッカーが蹴る前に他のメキシコの選手がペナルティ・ラインに入って)やり直しになったのはまだわかるにしても、2回目にブラジルの選手が入った時、ボルヘッティ外してるしね。あれは、明らかにブラジルやり返したよ。せっかく外してくれたのに。でも、3回目のPKの時にジーダが止めたのは凄かった。ブラジルはジーダがいれば大丈夫でしょう。
それにしても、メキシコの各選手が1つの意思のもとに、それがまるで1つの大きな生き物のように有機的に動くチーム戦術には驚いた。コンフェデ杯出場国の中で、少なくともグループBの中では1番高いモチベーションと、しっかりとした目的意識を持っていたチームだったことは間違いないだろう。
良からぬ噂が立ってしまったのは残念なところだが、1年後のW杯を占う上でメキシコというチームはあなどれない存在となった。)
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