2006年11月26日

誰のCDをパクっても万引きは万引きです。

 JOJO広重さんの11月2日の日記について。

 AMSがモダーンミュージックに国内盤のCDを手数料なしで卸していて、その商品が万引きされていたことへの怒りというか嘆きについて書かれている。僕もCDショップで働いていたから、自分が仕入れた(といっても会社の金で、だけど)商品が万引きされて、また同じ商品を発注しなくてはならない時の無力感というのはある程度理解しているつもりです。

 それを踏まえたうえで書かせてもらうと、日記の11行目「AMSとかフジヤマとかモダーンミュージックとか、」から13行目「そこの商品を万引きするのはやめてください。」

 という箇所にどうしても引っ掛かってしまう。この文章を僕なりに解釈すると、

「流行/売れ筋の音楽」なんて、どこに行っても売っている通俗的なもので、ロクな価値などないんだから別に万引きしてもいいけど、うちに置いてある「自分たちが大切に思っている」歴史的にも価値のある、貴重なものは万引きしないで欲しい。


 というものになる。これはあくまで僕の拡大解釈だし、偏見ですよ。しかし、読むひとにとってはそう捉えられても仕方のない書き方だと思う。そんな僕だって「流行/売れ筋の音楽」全てが好きなわけではないし、例えばBOA(いや、ロード・オブ・メジャーにしとくか・笑)とかがパクられていても「仕方ないか」くらいにしか思わなかったりしたこともある。でも、少し見方を変えると、BOAが所属しているエイベックス(の系列)から僕の大好きなヘア・スタイリスティックスやストラグル・フォー・プライドなどのCDが出ていたりするし、今回の件でAMSが発注した浅川マキだって東芝EMIから出ている。「流行/売れ筋の音楽」である175RやGLAYや槙原敬之の上(というか下というかなんというか)に成り立っているものなのですよ。現実的に浅川マキと175R、槙原敬之に相関関係は無くても、音楽業界的視点に立ってみると、そこには相関関係が発生するのです。

 なので僕は一概にそこは差別してはいけないものだと思っています。特に音楽業界全体を考えたときに、特に音楽を大切に思っていて、業界で働いている方には、そうであって欲しいなあと思うわけです。
 
 僕はAMSにもモダーンミュージックにもフジヤマにも行ったことがないので、こんなことを書くのは不適切なのかもしれませんが、いつものJOJOさんの日記に感銘を受けている者として、解せないというか残念に思ったので書いてみました。


posted by 植木孝之 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月11日

【第1回〜第4回】働くおっさん劇場メモ

 僕が毎週楽しみに見ている松本人志がおっさんをイジリ倒す番組『働くおっさん劇場』。基本的には、約3年前に日曜の早朝に放送されていた『働くおっさん人形』の続編なのだが、前回出演していたおっさん(一人を除く)が約3年の月日を経て、より「おっさん」になり(ある意味)パワーアップしており、第1回の野見隆明さんのインタヴューから衝撃映像満載だった。これは何らかの形で記録しなければならないと思ったので、このブログに「メモ」として書き記しておこうと思う。

【第1回】
おっさん1
 野見さん、福田さんの約3年間の経緯のインタヴュー。野見さんが最近の趣味であるボーリングのポーズを披露。前方感覚が掴めず右手を強打。ネイルアートに凝っているようで、指の爪がグレーだった。
 福田さんは恐らく3年前と同じウインドブレーカーを着用。最近の派遣仕事であるティッシュ配りの説明を延々と繰り広げる。お気に入りの女性はサトエリ。「ボディー」が好みだそうだ。

【第2回】
おっさん2
 青柳さんは大学の先生をクビになり、現在は某プロダクションの俳優養成スクールで俳優の勉強中。拳銃で撃たれて死ぬ演技や、犬が死んで泣く演技や、駅でハンドバックを盗まれて追う演技などを披露。
 吉田さんは、3年前同様にタクシーの運転手をしており、後ろ髪がかなりながくなっていたが、忙しくて1000円床屋に行けなくて、伸びてしまっているという話だった。

【第3回】
 4人のおっさんが揃い、宿題であった「坂本竜馬」についての知識を語りあった。野見さんがタイトルコールを間違いまくり。

【第4回】
おっさん4
 今回も4人のおっさん勢ぞろい。今回は一眼レフカメラで女性を激写するということで、野見さんと福田さんが逗子海岸に水着の女の子をナンパし、一眼レフカメラで女の子の写真を撮ろうとするが、ことごとく撃沈。野見さんが「オイル作戦」を以前成功させたことがある、と言っていたがやらず。
ロケVTR終わりで野見さんが「海の家でかき氷とか食べて話をすれば成功できた」とコメント。
posted by 植木孝之 at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | TV・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お詫び(という名の言い訳)。

 ご無沙汰です。

 コーネリアスの後半、書けてません、、、
つーか、最近家でも電車のなかでも車のなかでも、そしてそんな今現在も『SENSUOUS』ばかり聴いているんですが、聴けば聴くほどまるで海洋深層水のように体のなかに染みてきて、これほど聴く側のTPOを選ばないアルバムも珍しいなあ、と思うわけです。そして、このアルバムには、聴く側の感情を無闇に左右しない、フラットな感覚が内包されている気がします。 
 前作『POINT』は「ポイント(点)」と言うタイトル通り、何らかの目的に対して「刺す」ような「感覚や目的」があったと思うのですが、それも『SENSUOUS』にはない(ように思える)。これほど自由なアルバムは、(ダンスミュージック、エレクトロニカなどの匿名性や抽象的な音楽以外では)これまでお目にかかったことがない気がします。
 というわけで、もう少し深く聴いてから「後編」を書こうと思っています。暫しお待ちを。
posted by 植木孝之 at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

ベックを引き合いに出して、コーネリアスを書こうと思ったら、、、(前編)

ザ・インフォメーション

 ベックの新作『ザ・インフォメーション』の評価がいまいち良くない(ふうに感じる)。結構良いと思うんだけどな。前作『グエロ』のときも思ったのだが、おそらくベックに対して求めているものの違いが評価を二分しているのだと、僕は思っている。

 僕はベックを聴きはじめたのはちょっと遅かった。『メロウ・ゴールド』をリアルタイムで体験することができず、『オディレイ』からのベックファンである。例えば『メロウ・ゴールド』をリアルタイムで聴いて、過去のさまざまな音楽(特にファンク、ブラック・ミュージック、ヒップホップ)の概念を根底から打ち崩し、それらを坩堝に放り込み、これまで見た(聴いた)ことのない珍種の生物(音楽)を目の前に出現させた彼のインパクトは凄いものだったと、'90年代ベストアルバム特集で必ずと言って良いほど『メロウ・ゴールド』が顔を出す現状から察しても、容易に想像がつく。
 そして、その印象が強いがあまり、ベックは「音楽の規定概念を常に打ち崩す音楽を投げかけてくれる」という思いや期待が『メロウ・ゴールド』で脳天直下の衝撃を受けたひとには比較的多いのではないだろうか。

 『メロウ・ゴールド』→『オディレイ』→『ミューテイションズ』→『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』→『シーチェンジ』(『メロウ・ゴールド』→『オディレイ』→『ミューテイションズ』→『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』という考え方もあると思う)でひととおりベックが出せるパターンを出し尽くしてしまった感が、『グエロ』や『ザ・コミュニケーションズ』を聴くと感じられることは否めない。
 が、僕はこれでいいと思うのだ。きっと彼は、これからが本当にやりたかった音楽をやる時だと感じている、というフシがある。これまで愛してきた彼のルーツとも言える、ブルース、ファンク、ソウルなどのブラック・ミュージックをベック印に焼き直す。
 否でも応でも彼の最近の作品には、一聴しただけで「ベック」であるとわかるリズム感やアレンジや音がある。それを「またか」と聴くか、「これだよな」と聴くのは人それぞれだろう。だから、彼を評価することはとても難しいものだと思っている。だから、面白いアーティストだとも思うのだが。

 と、本当はコーネリアスとベックのアーティスト性を相対化して、コーネリアスの新作『SENSUOUS』について書きたかったのだが、ベックについての文章が長くなってしまったので、「後編へ続く」で後編にコーネリアスの新作『SENSUOUS』について書きます。このアルバムは、みんな良い、凄いと感じるはずです(「良い、凄い」という表現はちょっと違う気もします。ジャストな言葉が見つからない)。特に日頃音楽をそれほど大切に思っていないひとに聴いてもらいたいです。

 あなたは、本当に音楽を必要としていますか?

(後編へ続く)
posted by 植木孝之 at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月15日

天才の片鱗。

緑ケ丘に鐘は鳴る

 緑ケ丘に鐘は鳴る/中林キララ

 学研から出たロックギタリストガイドにも掲載された、オシリペンペンズのギタリスト、中林キララの(たぶん)1stソロアルバム。

 これは、凄い。CD-Rだけど34分300円という超破格プライスなのもさることながら、内容も超絶極まりない。僕が以前ペンペンズの音楽を説明する際に引用したキャプテン・ビーフ・ハートばりの変態、超絶さを現代に蘇らせたような曲、中原昌也、EYEばりのテープ編集センス、ゴミとジャンクを選別する耳のセンスが光る曲から、なんと「こんにちは赤ちゃん」のカバーまで、内容はバラエティーに富み過ぎ。

 この前のペンペンズのライブを見て、以前の笑顔でメンバーを笑顔で見つめながら演奏している姿と180度変わり、アクティヴに立ち振る舞いメンバーのなかで一番光っていたのは中林キララであり、以前の意識でライヴに臨んでいた僕は大変びっくりしたんだけど、このアルバムを聴くまでは正直これほど音楽的センスのあるひとだとは思わなかった。嬉しい誤算である。実は僕がペンペンズを好きになったきっかけはモタコのキャラより前に「引き止め男と去る女」のギターフレーズだったりするのでその徴候は僕のなかで無意識にはあったんだろうけど。
  
 石井モタコが結婚して、ペンペンズの音楽(特に歌詞)の方向性が変わっていくことが予想されるなか、音楽的には今後中林キララが引っ張っていくかもしれない(これまでもそうだったのかもしれないけど)。特に「ペンペンズはパフォーマンスだけだ」と批判する輩の口を閉じさせる力を持っているアイテムには違いない。
 なので、仮に石井モタコの挑発的で、彼の言動のひとつひとつがものの見事に物事の核心を突きまくるキャラがイヤでペンペンズを避けているひとがいるならば、このアルバムは気に入るかもしれません。

 ライブ会場限定アイテムなので、是非ライブを見てからご購入ください。
posted by 植木孝之 at 13:03| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月08日

書きました、という報告。

soyuz project

 すいません。いろいろとやらなくてはならないこと満載で、新たに記事を書くことができないのですが、1つ報告を。
 9月22日に初台ドアーズにて行われたSOYUZproject(福間創・ex.P-MODEL、ヤプーズ)のライヴ評を書かせて頂きましたので、よろしければ御覧ください。

こちら(同ページに3本のライヴ評が載っていますが、僕が書かせて頂いたのは真ん中の文章です)。

 で、僕がライヴ評のなかでも書いた「swingby」という曲がこちらで試聴できる(というか1曲まるまる聴ける)ので、聴いてからでも読んでからでもいいですが、興味が湧きましたら、読んで聴いて(聴いて読んで)みてください。
posted by 植木孝之 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月29日

4万アクセス行ったお☆

と、軽くしょこたん風にお届けしてみましたが、訪問者のところのカウンタを見るとこのROCKDENASHI横町もめでたく4万アクセスに到達したようです。ギザウレシス!
 このブログの(システムに組み込まれている)カウンタを見ると、だいたい1日200くらいのアクセスがあって、概算するともっとはやく4万行ってると思うのでよくわからないのですが。
 でもですね、最近めっきりご無沙汰しているこの横町にアクセスしている方がおられるのは大変ありがたいことですよ。しかしまた10月からいろいろと忙しくなってしまうので、更にこのブログに書くことができなくなってしまうかもしれませんが、皆様が忘れたころにこっそり書こうと思いますので、定期的に読んでお☆(無理矢理しょこたん風)。

 
posted by 植木孝之 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月21日

腹を括れ。

 スパルタ、変わった。

 それはもちろん「付き合う前はあんなに優しかったのに、何で?」という嘆き悲しむほうの変わりようではなく、とても良い意味で。

 前作『DREAMER』までの「こうなればいいな。こうしたいな」という願望先行型の歌詞から、「こうしてやる」というリアル思考型への歌詞の変貌。それは1曲目の「ばかやろう」を聴けば一発でわかる。やっと、腹括ったか。

 裸足で荒れたアスファルトのうえを全速力で走るようなささくれ立った疾走感と同時に、走り続けて足の裏に血が滲んだ痛みをMっ気まじりにほくそ笑みながらリズミカルに走る突き抜けた爽快感をこのバンドには感じていたけど、こういう崖っぷちな詩が乗ると楽曲の力をまるでアメリカ牛と日本米の織り成す交響曲のように、最大限まで引き出すことができる(まだ、復活後の吉牛食ってねえんだよなあ。食いたい)。最高だ。何杯でも食える。

 3rdアルバム『SUN SUN SUN』以降のスパルタローカルズにはどこか行き詰まりを感じていた。僕は『SUN SUN SUN』リリースくらい以降のライヴを見ていないので、彼等のライヴがその後凄まじくよくなっているのかもしれないが、僕がライヴを見ていた頃は、だいたいライヴの最後に彼等の代表曲である「ピース」を持ってきていた。その頃のスパルタローカルズのファンが「ピース」を聴きたがっていたのはよくわかるし、盛り上がるので一概に否定はできないのだが、正直、いつまで頼るのかと感じていた。他にいい曲たくさんあるのに。なんでだろうな、と思っていた。でも、今思うと、多分自信がなかったんだと思う。「ピース」以外で客を盛り上げるような自信が。でも彼等には楽曲の力よりももっと必要なことがあった。彼等はもっと突き抜けることが必要だったのである。それは多少のリスクを背負ってしまったとしても。

 結果、彼等はドラムの脱退という多少どころでないリスクを背負ってしまったが、最新アルバム『スパルタローカルズ』を作る(腹を括る)以前では「メンバーの脱退=解散」と考えてきたであろう彼等が他でもない「バンドの存続」という道を選んだのは、彼等がバンドで音楽を鳴らし続けてロックンロールしていくという、腹を括った何よりの証左であると考える。

 彼等が必死にロックンロールしている顔が見たい。
posted by 植木孝之 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

【レポ】EXTREME NIGHT Vol.3

EX Vol.3 看板

 終了して少し日が経ってしまいましたが、EXTREME NIGHT Vol.3、無事終了しました。ご来場の皆様、出演者の皆様、青い部屋スタッフの皆様、主催者(僕含む)の皆様、お疲れさまでした&ありがとうございました!
 今回もちょうどいい案配のご来場の方の数で、ハコ全体のスペースに対する割合も丁度良く、興業的には若干の赤でまたもや僕のフトコロを寒いものにしまいましたが、とても過ごしやすい、いいイベントにすることができたと自負しています。

 今回の出演者は、ライヴにタバタ&あだちDuo、Cosmic Urination、ダウジノイザズ、Filthという個性的な4組。そしてDJにレギュラーであるodaq、ろくでなしに加えてゲストDJに☆みほちゅう☆さんをお迎えした。
 前回同様15時30分頃に現地入りし色々と準備、というか出演者、主催者等と雑談。前回から渋谷青い部屋に会場を固定したからか、主催者サイドにもどこか余裕が感じられる。

 前回同様リハは出演順の逆で行った。タバタ&あだちDuo、Cosmic Urination、Filth、ダウジノイザズの順番。皆淡々と音のチェックを青い部屋のPAの方と打ち合わせながら、本番でのパフォーマンスをどういうものにするか模索しながら演奏している。本番と同じような演奏になるとは思わないが(特にEXTREME NIGHTの出演者は偶発的なユニット形態での出演を意図的にお願いしていて、本番一発勝負のセッション要素が高いので、尚更同じようなものにならないと思う)、いや、思わないからこそ、リハでの演奏そのものも1つのライヴのように感じられて、それを見ることができるのは主催者冥利に尽きる。至福の時である。前回は出演者の枡本航太さんにインタヴューをお願いしていたりして、僕自身結構テンパっていたので、今回はそういった面でも余裕があったのだ。

 開場時間の18時になり、いっしーさんの客入れDJが始まる。今回は普段のDJではとてもかけられないような長尺の曲を3曲用意したとのことで、持ち時間30分のなかで、あまりDJ卓ですることもないようで、場内のいろんなところに回られて雑談してました。タバタさんに「この曲はこんな感じなの?ループしてるの?」と聞かれたので、「こんな感じみたいですよ」と答えた瞬間に曲が転調したのが面白かったです。かけた曲は以下のようなものでした。

A Farewell To A Crimson king In A Crimson Way/Comity
Sheets Of Easter/Oneida
Hypnagogue/Vurrent93


ダウジノイザズ

 そんなこんなで今回のトップバッター、ダウジノイザズの登場の時間に。レギュラーのアウラノイザズに今回はラップトップと自作のウッドベース形態のエレキベース(らしきもの)を携えた二人組、ダウジング同好会を迎えてのライヴ。セッション的な要素はあまりなく、アウラの二人もハープをあらかじめ決めた通りに淡々と弾いている印象。その上にダウジング同好会の音が乗るという感じで、それぞれのパートがループ演奏しながら、徐々に音のテンションが上がっていく。ハープの音とダウジング同好会の音の相性は抜群に良いと感じたので、そこに彼等なりのエクストリームな要素がもう少し欲しいとは思った。構築美の果ての破壊が見たかったところである。次の展開が楽しみだ。

DJ odaq

 続いては、DJ odaq。前回、前々回と実にodaqさんらしい爆音DJで僕は良いと思ったのだが、odaqさんは客の反応を不安に思ったか、今回は割と控えめな印象。タバタさんが在籍しているAcid Mothers Templeの音源をかけたときに、タバタさん自ら「今かかってるの、何ですか?」と問い合わせてきたのが面白かった。しかし、タバタさんが在籍していないときのものだったらしい。他には高円寺百景などをかけていた。これもこれで今のodaqさんの音の好みの一面を垣間見たようで、odaqさんらしいDJだった。
 
Filth

 次は、Filth。いっしーさん、junneさん、toruさんの3ピースバンド。前回でのライヴでは、割ときっちりと展開を決めて臨んでいたが、今回は割とフリーキーというか、全体の展開をきっちり決めてかかっているのではなく、リフの力に身を任せているような演奏で、前回よりもエクストリーム度が増していたと思う。演奏中もお互いがアイコンタクトで次の展開を指示していくさま、そこにドラムのtoruさんが予想もしなかった表情を浮かべるギャップがツボだった。音も前回よりも僕のツボにハマっていたし、バンドのやりたいことがより明確になっていることは間違いない。

DJ☆みほちゅう☆

続いてはDJ☆みほちゅう☆さん。今年6月に三軒茶屋クロームで行われた独逸世界杯開催記念重低音ナイトでDJをやられた方である。とにかく重い音。ノイズ、インダストリアル、HR/HM、プログレなどをかける凄まじいイベントだったようで、僕は残念ながら行けなかったので、どういう重低音が鳴らされたのか聴いてないのだが、そのイメージからすると(どんなのをイメージしてたんだよ、って感じですが)こちらも控えめな感じの選曲をしてきたらしく、落ち着いて聴かせるようなセットリストだった。選曲も僕好みのものが多かった。デザイナーをやられていて、今回のフライヤーも作成していただいたので、そのセンスがDJにもあらわれていた。

Cosmic Urination

 1回目に続いての出演のCosmic Urination。今回は、角田俊也さん、伊東篤宏さん、宇波拓さんに加え、ベースの畠中実さんも参戦。4人体制である。バンマスである角田さんが作成した今回のライヴをイメージした抽象画を見せていただいたのだが、これが30分で作ったと思えないほどの素晴らしい出来で、これが音にどう変換されるのか、非常に楽しみであった。
 その抽象画のイメージはなだらかな坂を登っていくと突然の渦巻きに飲み込まれるようなもので、その渦巻きのなかに暴風雨と宇宙が渦巻いている感じを想起させる。
 角田さんのビリンバウと伊東さんのオプトロンが爆音を鳴らし、そこに宇波さんのキーボードと畠中さんのベースが絡んでいく。それが、暴風雨と宇宙のイメージを見事に音像として形作っていた。オプトロンの光が視角にも衝撃として飛び込んできて、目と耳を同時に刺激する。このバンドは見事なほどにライヴバンドである。前回見たものとは全く違うものだった。次も全く違うものになると思われるので、是非見てみたい。

DJ ろくでなし

 そして、DJろくでなし、僕の出番である。今回はセットリストをきっちり決めないで、ネタをいっぱい仕込み、その場の勘(場の雰囲気とか客の反応とかを考慮する余裕なんてないので)で決めていった。家でしこしこ印象に残ったテレビ番組の音をCD-Rに録音し、それをCDJにかけて面白いようにループしたりして、それをまたCD-Rに録り直すという原始的な作法で、曲以外のネタを今回は用意してみた。で、そのセットリストはコレ。

【TV】安倍内閣官房長官総裁選立候補表明演説/安倍内閣官房長官
時は来た/オシリペンペンズ
Immigrant Song/LED ZEPPELIN
one armed scissor/at the drive in
Lemonade/The STARS
KUGGED by dj klock and moyunijyumo/久下恵生
【CM】エバラ 生姜焼きのタレ/川平慈英
ないないない/MOST
Starfuckers,Inc/Nine Inch Nails
Zuckendes Fleisch/EINSTURZENDE NEUBAUTEN
【TV】おもいっきり生電話/みのもんた
B面最初の曲/THE GEROGERIGEGEGE
生きとし生ける物へ/森山直太朗


 どうですか?めちゃめちゃ反則スレスレでしょう。というか、反則でしょう。ま、正直アタマとケツの流れはほぼ決めていたのですが、安倍官房長官であれだけウケるとは思わなかったですね。いやー、ウケたんですよ。これまでやってきたDJのなかで一番手応えを感じましたね(笑)。

タバタさん口パク

 で、ケツの森山直太朗が若干スベる雰囲気だったのですが、そこを次の出番であったタバタさんが、口パクで熱唱するという奇跡のアドリブを披露していただいて、難を逃れました。場内大爆笑。いやー、さすがだなあ、と思いましたよ。百戦錬磨のライヴ達人だなあ、と。

【1】タバタ&あだちDuo

 そのまま、今回のトリのタバタ&あだちDuoへ。田畑満さんは、現在Acid Mothers Temple、Amazon Salivaなどで活躍している名ギタリスト。あだち麗三郎さんは俺はこんなもんじゃない、タラチネ、henrytennisなどでサックスを吹かれています。田畑さんは以前Amazon Salivaで見たことがあったのですが、あだちさんは僕は今回初見でした。田畑さんのその場の思いつきであろうギターループにあだちさんのサックスが(これもアドリブだろう)乗っていく。途中客席に乗り込んだりしていって、場内の笑いもしっかり取る。さすがだ。途中あだちさんがドラムに向かっていきドラムを叩いて激しい演奏にもなる。リハとは全く違う演奏。フリー・フォーム・ミュージックの極地を見た気がした。感服。
 そして、最後に今回の出演者に歌もののバンドがいなかったから、ということで、Boomtown Ratsの「哀愁のマンデー」の日本詞バージョンできっちり締めていただき無事終了。

 いや、今回も手前味噌ですが、楽しいイベントでした。出演者、ご来場の皆様にも楽しんでいただけたようで、良かったです。これは個人的に思ったことなのですが、前回と同様、イベントの流れ的にトリまでに溜めていったパワーをトリで爆発させるというか、そのバネの跳ね返りの強さがこのイベントにはあるな、と思いました(それはトリ以外のメンツが良くないという意味ではなくてバランスの問題です)。これはイベントとしては良い傾向だと思うので、次回もそういった強力なメンツを揃えて臨みたいと思います。

 次回は来年の1月13日(土)、場所は同じく渋谷 青い部屋です。新年早々楽しみましょう。お楽しみに!
posted by 植木孝之 at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | えらそうに評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月09日

【速報】EXTREME NIGHT Vol.3

EXTREME NIGHT Vol.3

EXTREME NIGHT Vol.3

9月9日(土) 18:00OPEN 18:30START
渋谷 青い部屋

http://www.aoiheya.com

出演者:
【ライブ】

タバタ&あだちDuo
(田畑満(Acid Mothers Temple、Amazon Saliva、LBM、Zeni Geva) 、あだち麗三郎(俺はこんなもんじゃない、タラチネ、henrytennis)
Cosmic Urination(角田俊也+宇波拓+伊東篤宏+畠中実+α)
ダウジノイザズ(アウラノイザズ+ダウジング同好会)
Filth

【DJ】
ろくでなし
odaq 
☆みほちゅう☆

予約料金:1500円
当日料金:2500円

予約される方は青い部屋メールマガジン登録の上、青い部屋HPから御予約をお願いします。
(登録はhttp://www.aoiheya.com/clubaoiheya.htmlからお願いいたします)
当日料金と予約料金では1,000円も金額の違いがあります。是非ご予約を!

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Cosmic Urinationさんは第一回以来の出演になります。
今回は3者に加えて畑中実さん、更にゲストもありうるとのことです。

田畑満さんは前回出演予定でしたが、負傷されたために出演できませんでした。今回はそのリベンジも含めての出演となります。

個人的には、(未見ですがHPを見る限り)あだち麗三郎さんが非常に気になります。

【参考資料】
EXTREME NIGHT Vol.1
EXTREME NIGHT Vol.2

お待ちしております!
posted by 植木孝之 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ロクナイ(他イベント) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする