
先月の8日のことになりますが
こんなイベントに行ってまいりました。その頃はおそらくW杯ムード満載だったであろうドイツからわざわざ6人も来日。
局所中の局所で話題騒然、オレオレ激押しの
シントウ他2組のライヴと、そのシントウの代表曲「ケイレン」を某ロック夜話でご紹介頂いた
サワサキヨシヒロ!さんやCAPTAIN FUNK(TATSUYA OE)他1組のDJという局所では豪華な組み合わせ。
19時開演で僕が入ったのが18時40分くらいだったのですが、その時フロアに居たのが多分5人くらい。さすがにギュウギュウの満員だとは思ってなかったんだけど、少なすぎ(苦笑)。
客入れのDJのサワサキヨシヒロ!さん、すげえアゲアゲで面白かった。ハウスに民謡をかぶせてそのまま民謡ハウスに移行するところなんて、さすがだなあ、と感心する。ピストン西沢さん的なユーモアを感じる。ま、西沢さんのDJはもう少し芸能寄りって感じがするが。
そのうち客も増えてきて、サワサキさんがライヴアクトを紹介。Convertibleという3ピースバンド。ドイツ出身のバンドらしいが、オーストリアでインディーチャート1位とかになっているらしい。で、何とドミノ・レコーズも実はハンスの為に作られたなどの逸話を持つ実力派ロック・バンド。これがなかなか良かった。ジャーマン・ロックというよりはUKロックに近い音なんだけど、ジャーマンぽい変態チックな隠し味を持っているというなかなかの曲者バンドだった。ゆるいフレーズで流れていくかと思いきや、急に激しいカッティング・ギターを鳴らしたりするという変幻自在な音像。ベースは女性だったんだけど、スタイルいいしベースウマイし。いいですね、女性ベースは。
ドミノ・レコーズ設立のきっかけになったという話を前述しましたが、フランツ・フェルディナンドなどのドミノ・レコード所属バンドにない渋みを持っているというか(逆に言うと甘さがないんだけど)、簡単に言うとポップではあるけど今っぽくない感じが僕には好感触でした。日本のバンドではSTARSが近いのかな。
続いてミュンヘンでヘルとかのサポートとかやっているらしいDJ MOONER。イケメン。だけど音はちょっとゆるかったかな。場には合ってたと思います。と、偉そうに言う俺。
この辺で純米原酒『タクシードライバー』や純米原酒『赤犬大艶會』などの「サブカルと日本酒の素敵な融合の第一人者(というか他にいない)」でお馴染みの喜久盛酒造(株)5代目の藤村さんにご挨拶。以前シントウに喜久盛酒造のCMソングを依頼する(曲は題名と歌詞を変え、新作『
世界』に収録されています)という鬼畜な行動に出た藤村さんにシントウの時間を聞いたらこの次ということで、シントウを待つ。

シントウ出てくる。アー写とかを見ると2人組なので、2人かと思いきや3人出てきた。先ほどライヴをやったConvertibleのギターのハンスがシントウのメンバーでもあってギターを抱えている。そして、Convertibleのドラムがサポートにまわり、フロント・マンのカミ・トクジロウ氏登場。めちゃめちゃ白人なのにめちゃめちゃ流暢な日本語。僕らはデーヴ・スペクターやブライアン・バートン・ルイスやクリス・ヘプラーなどの外人顔(そりゃそうだ)と流暢日本語のギャップにはある程度慣れてはいるけれど、実際見るとやっぱウケる。それは流暢であれば流暢であるほどウケるし、場違いな言葉であるほど衝撃(笑撃)度が増す。
場違いな日本語のオンパレード。そしてこぶしの効いた声の熱い魂の絶唱。そこに乗る踊れるハイブリッド・ダンス・サウンド。それらの要素が奇跡的なバランスで摩擦し、渾然一体のカオスと化ける音楽。それがシントウの音楽だ。
僕はシントウのライヴはこの日が初だったので、これまで聴いてきた音源から察するに、非常にシリアスな磁場から放たれている部分が多いバンドだと思っていたんだけど、ライヴはめちゃめちゃインパクトがデカく、娯楽性の高いものだった。以前はハンスのベースとカラオケでカミ氏が歌う形式だったようだが、今回はドラムにギター、音はPCからの打ち込みに変わった。音のクオリティの高さはアルバムを聴けばわかるが、ライヴでもその実力は裏打ちされており、タイトかつハードなドラムはリズミカルに刻まれ、ギターのカッティングは切れ味抜群だ。そして、世良公則(ツイスト)ばりに大股開きで歌うカミ氏の威風堂々としたさまは素晴らしい。日本情緒にグッとくる。そしてそのさまで、
「堪忍してよお母さん 頭の回路が切れただけ」 とか
「ケイレン いさぎよくケイレン 気持ちよくケイレン」 とか歌うのだ。
いやあ、凄いなあ。強烈な表現だなあ。こんな強烈な表現、日本人じゃ無理かなあ。無理だろうなあ。いっそシントウには日本に長期在住でもして日本の地に根付いた活動をしてもらいたい気もするけど、きっとそうすると日本に対しての愛着とか今より湧いてくるだろうからこういった悪意に満ちた表現とかできなくなるんだろうな。日本と一定の距離(物理的な距離と精神的な距離)を持って日本を見ているからこそこういう表現ができるのだろう。だって、今更「ポア」なんて曲出さないよ(新譜『世界』に収録)。遅い。でもその微妙なズレがとてもいい。名曲「希望」での客との「希望がある限りずたずたでも生きていこう」という合唱を挟み、シントウの感動のオン・ステージは終了。
次はキャプテン・ファンクことオオエタツヤさんのDJ。サラサラの直毛ヘアでホスト風イケメンの外見。そういえば昔オオエさんてアフロ・ヘアーでしたよね?(あれ、違かったっけか?)久々にオオエさんのDJ見たけど、やっぱりいいな。安心して踊れる感じ。そんな感じでオオエさんのDJで気持ち良く踊ってたら藤村さんに呼ばれ、カミ氏を紹介される。ペプシ・コーラを飲んでいたカミ氏はとてもフランクないい方だった。
「
EXTREME NIGHTでホッピー神山さんとシントウの話したんですよ」ということなどを普通に会話する。そりゃ、カミ氏は日本語ペラペラだから普通に会話するさ。その後、藤村さんが御社の日本酒を持参していたので、UNIT地下の楽屋にお邪魔してシントウのメンバーさんやシントウ縁りの方々や本日の出演者さん達とご一緒に日本酒を頂くことに。
いやいやまさかUNITの楽屋にお邪魔して、しかもシントウのメンバーさん達と日本酒を酌み交わすことになろうとは思わなかった。しかもみんな外人(白人)だし。しかし、外人にも日本酒は結構イケるようで、「ウマい、ウマい」とか「デリシャス」とか言っていた。
何だか変な世界にトリップしたようで不思議な気分でしたね。とても貴重な経験できました。藤村さん、ありがとうございました。
そういうわけで、結構呑んだので酔いも回っていたり、終電の時間との兼ね合いもあったので、キャプテン・ファンクのDJ終了後会場を出る。
天下一品恵比寿店でネギ、玉子トッピングのこってりラーメンを食い、帰宅。
濃厚な夜だった。あー、ぐったり?